業績・事業への取り組みについて

当社は、更なる持続的成長を目的に2018年10月に、イオンディライト ビジョン2025(以下、「ビジョン2025」)を策定し、アジアにおいて「安全・安心」、「人手不足」、「環境」の3つを成長戦略の柱に社会課題を解決する環境価値創造企業を目指すことを決めました。

また、ビジョン2025の実現に向けた成長を加速するため、2021年度を初年度とする中期3ヵ年経営計画を策定し、「お客さま起点の経営」、「DX の推進」、「グループ経営」の3つを基本方針に掲げました。2024年2月期は前期に引き続き、これら3つの基本方針に則った取り組みを推進しました。

第51期連結累計期間(2023年3月1日~2024年2月28日)の事業報告

経営成績

当連結会計年度(2023年3月1日~2024年2月29日)の業績は、売上高が3,248億20百万円(対前年比106.9%)、営業利益152億35百万円(同96.3%)、経常利益154億82百万円(同96.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益107億7百万円(同105.5%)となりました。

売上高は、イオングループ内外における顧客内シェア拡大や新規受託物件の増加により増収となり、期初に掲げた計画を上回りました。
とりわけ、営業強化および実績やノウハウを評価いただいたことによりイオングループ外の企業や団体からの受託が増加しました。セグメント別では全7事業で増収となり、中でも、省エネ関連工事や改装・修繕工事の受託を拡大した建設施工事業、並びに各種資材の受注を拡大した資材関連事業で2桁成長となりました。一方、営業利益は、販売管理費の増加分をセグメント利益の成長で補うことができず、減益となりました。 

第51期連結会計年度の主な取り組み

お客さま起点の経営

営業体制強化によるマーケットシェアの拡大
アカウント営業や各支社・支店の地域営業により顧客への提供サービス拡大や多拠点物件の受託を推進することで顧客内シェアを拡大しました。同時に、省エネや防疫対策を含め、これまでに蓄積してきた実績やノウハウを活かしたお客さま起点の提案活動により、多種多様な施設においてサービスの提供を開始しました。また、管理運営を受託する施設の「安全・安心」や「機能性」、「美観」の維持向上を図るため、国内全8支社にて現場主体による小規模修繕の提案を積極化し、売上高、及び利益の拡大に繋げました。 

DXの推進

データ連携基盤「イオンディライトプラットフォーム」のアップデート
当社では、全てのお客さまに対して、それぞれの課題に最適なソリューションを提案し、効率的に提供していくためのデータ連携基盤「イオンディライトプラットフォーム」を構築し、その利活用とアップデートを進めました。

「エリア管理」の展開
当社では、持続可能な事業モデル構築を目的に、IoTなどの技術を活用し、複数の施設を効率的に管理する「エリア管理」の導入を推進しています。当期は、新たに計47施設(累計320施設)にて省人化・無人化を実現し、常駐設備管理員約52名分(累計約219名分)のリソースを創出しました。また、これに伴い、施設管理の現場で培われた専門性を更なる収益機会の拡大に繋げるため、新規受託物件や営業部門、工事部門などへと専門人材の再配置を実施しました。 

グループ経営

国内グループ会社
旅行関連事業を展開するイオンコンパス(株)では、人流回復に伴い出張管理サービスや法人向け旅行事業が好調に推移し、業績を大幅に回復しました。また、2023年4月に完全子会社化した、(株)アスクメンテナンスの寄与により国内グループ会社全体で増収となりました。一方、利益面につきましては、人件費および外注費をはじめとした原価上昇の影響により、ビルメンテナンス事業を展開する複数のグループ会社において収益性が低下し、減益となりました。

中国事業
アジア最大の成長エリアと位置付ける中国では、中核事業会社による顧客内シェア拡大や中・高級施設をターゲットとした新規受託拡大、都市開発プロジェクトへの参画を通じたファシリティマネジメント業務の集中受託などにより堅調に事業を拡大しましたが、販売管理費が増加したことなどにより増収減益となりました。こうした中、中国におけるグループ経営の更なる推進を目的に、中核事業会社のひとつである永旺永楽(江蘇) 物業服務有限公司を事業統括会社として再定義しました。 

アセアン事業
アセアンでは、事業を展開する各国で増収となりました。しかしながら、インドネシアや2023年1月より改正雇用法が施行されたマレーシアにおける人件費上昇の影響などにより、アセアン事業全体では増収減益となりました。