コーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方

当社は、経営理念「私たちは、お客さま、地域社会の『環境価値』を創造し続けます。」のもと、自らの持続的成長と企業価値の向上を通じて、ステークホルダーに対する責任を果たし、社会の要請や自らの経営環境に適合する最良のコーポレート・ガバナンスを実現することを目指しています。

当社はコーポレート・ガバナンス体制を、「当社の持続的成長を支えるための、以下の4つの視点からの『攻め』と『守り』のバランスの取れた仕組み」として「イオンディライト コーポレートガバナンス・ガイドライン」(以下「当社ガイドライン」)において定義しています。

  1. 1)企業の構成員(役員、社員)の事業活動を、一つの大きな意思・ベクトルに統合し、経営資源を最大限に活用する手段
  2. 2)企業を支えるステークホルダーとの信頼関係の基となる基本的約束
  3. 3)日常・非日常の不測の事態に対する備え
  4. 4)企業が社会の一員として存続するために守るべきルール

現状のコーポレート・ガバナンス体制を選択している理由

当社は、監査役会設置会社であり、監査役・監査役会が取締役・取締役会の職務執行を監査しています。

当社の取締役会は、執行と監督の機能の二面性を併せ持ちますが、執行に関わる意思決定の迅速化を目的に、取締役会は執行役員制度を導入し、会社の特定の領域の業務執行を執行役員に委ねています。

取締役会は、専門知識や経験等のバックグラウンドが異なる多様な取締役で構成するとともに、独立性・中立性のある独立社外取締役を4名置いています。

監査役会は、監査役会の独立性確保のため半数以上を社外監査役で構成し、少なくとも1名以上を証券取引所が定める独立役員に指定しています。

当社は、取締役候補者の指名に関わる方針・基準、取締役の報酬に関わる方針・基準の策定や、取締役会における個々の指名・報酬案の決定に際しての独立性・客観性と説明責任を強化するため、また取締役会全体の実効性を評価分析する上でその独立性と客観性を強化するため、取締役会の任意の諮問機関として、指名・報酬諮問委員会および評価諮問委員会を設置しています。加えて、経営執行者、支配株主から独立した立場で、少数株主等ステークホルダーの意見を取締役会に適切に反映させるため、取締役会の諮問機関として、特別委員会を設置しています。

コーポレート・ガバナンス体制の概要

コーポレート・ガバナンス体制図



取締役会
当社のコーポレート・ガバナンス体制において株主総会に次いで最も重要な役割を果たす機関と位置付け、経営に関する重要な意思決定を行うとともに、取締役および執行役員などの経営幹部に対する実効性の高い監督を行っています。

原則として定例取締役会を毎月1回開催するほか、必要に応じて臨時取締役会を開催しています。


監査役・監査役会
監査役は、取締役会その他重要な会議に出席し、取締役会並びに取締役の意思決定、職務執行に関する監視機能を果たしています。


経営会議
常務執行役員以上と協議内容に応じて必要となるメンバーで構成され、経営方針や経営戦略など経営に関する重要事項などについて討議します。特に取締役会付議議案については、経営会議であらかじめ十分な協議を行ったうえで取締役会に上程することにより、取締役会における審議の充実と適正な意思決定の確保を図っています。

取締役会の任意諮問機関

指名・報酬諮問委員会
取締役候補者・監査役候補者の選任・指名および代表取締役社長等の後継者の計画、取締役の報酬に対するインセンティブプランと報酬内容について取締役会に対し助言・答申を行い、透明性と客観性を高めることを目的に設置しています。グループ各社の代表取締役社長および取締役の選解任についても同様に、助言・答申を行います。2022年の定時株主総会後、構成員の過半数を独立社外取締役としました。


評価諮問委員会
取締役会の独立性と客観性を強化することを目的に設置しています。取締役会全体の実効性分析評価を行い、取締役会に対し助言・答申を行います。複数の社外取締役を含む取締役、監査役で構成し、委員長は原則社外取締役から任命しています。


特別委員会
経営執行者、支配株主から独立した立場で、少数株主などステークホルダーの意見を取締役会に適切に反映させることを目的にしています。委員長、および全委員を独立社外取締役とし、支配株主と少数株主との利益相反が懸念される事項が発生した際に開催します。

各会議・委員会の概要

名称 開催状況 構成員
取締役会 18回 濵田和成(代表取締役社長、議長) 宮前吾郎(取締役) 阿久津哲也(取締役) 渡邉廣之(取締役) 本保芳明(独立社外取締役) 吉川恵治(独立社外取締役) 高田朝子(独立社外取締役) 島田俊夫(独立社外取締役)
監査役会 16回 黒田隆(社外監査役、議長) 髙橋司(独立社外監査役) 戎井真理(独立社外監査役) 藤本隆史(監査役)
指名・報酬諮問委員会 8回 高田朝子(独立社外取締役、委員長) 濵田和成(代表取締役社長) 吉川恵治(独立社外取締役) 島田俊夫(独立社外取締役) 宮前吾郎(取締役)
評価諮問委員会 2回 本保芳明(独立社外取締役、委員長) 濵田和成(代表取締役社長) 吉川恵治(独立社外取締役) 髙橋司(独立社外監査役) 阿久津哲也(取締役)
特別委員会 1回 吉川恵治(独立社外取締役、委員長) 本保芳明(独立社外取締役) 高田朝子(独立社外取締役) 島田俊夫(独立社外取締役)

※2023年度の開催回数

グループガバナンス強化に向けた体制強化

イオンディライトグループ全体の成長戦略を加速させるとともにグループガバナンス体制を強化させるため、「グループガバナンス3つの柱(①個社別の成長戦略、②予算実績管理、③内部統制システム)」の構築を進めています。

これらグループガバナンスの3つの柱が組織的に機能しているかについて、当社取締役会ならびに権限移譲を受けたイオンディライトグループ会社社長会がモニタリングするとともに、各社リソースの再配分を決議しています。

その他の任意の委員会

グループ会社不祥事を防止する守りのガバナンスの取組としては、子会社不正会計事案発生時に設立した再発防止委員会における取組の維持・継続状態のモニタリング機能を担うグループガバナンス強化推進委員会、グループ全従業員のマインドセットとしてグループ共通理念・ディライトウェイの浸透や働きがいのある職場づくりに向けた環境整備等を担う組織風土委員会を2021年3月に設置しました。

グループガバナ ンス強化推進委員会では毎月グループ内の再発防止策の効果検証やグループ全体の内部統制状況を議論し、必要な施策を都度追加実施しています。組織風土委員会では、働きがいのある職場づくりに向けて2021年度に実施した当社グループ従業員向けアンケート「働きがいのある会社調査」の結果を踏まえ、2022年度には各支社において管理職を対象に「働きがいのある会社への第一歩として」と題したディスカッションを実施するなど、具体的な施策を推進しました。
加えてリスク管理委員会ではグループ会社の不祥事を重要リスクと定めてリスクマネジメントを行い、リスクの低減の観点での再発防止のアプローチを実施しています。
これら、3つの委員会が、当社の財務経理、人事総務、ITインフラ、コンプライアンス、内部統制、法務など本部所管部署の所管領域におけるグループ全体のモニタリング、内部統制強化施策推進活動にも包括的に関わり、当社グループ全体の不祥事防止体制を構築しています。

更に、事業活動を通じた社会課題の解決を図るESG経営の全社推進機関として、2022年4月よりサステナビリティ委員会を設置しています。同委員会は、サステナビリティ基本方針やマテリアリティに基づく優先すべき取り組み等、ESG経営推進に関する協議を実施するとともに協議内容の総括、および取締役会への報告を実施します。

監査役、会計監査人、内部監査部門の連携状況

監査役は、会計監査人と定期的にかつ必要に応じて会合を持ち、情報交換を行っています。会計監査人につきましては、有限責任監査法人トーマツと監査契約を締結しており、会社法監査および金融商品取引法監査を受けています。
内部監査部門としては、グループ経営監査部を設け業務全般にわたる内部統制の有効性および効率性を高めるため、計画的に評価および監査を行い、業務の円滑な運営と統制に努めています。監査役は、グループ経営監査部と定期的及び日常、適宜必要に応じて相互の情報交換・意見交換を行うとともに、計画的に三様監査会議を開催して相互の連携を図っています。

会計監査人

当社は、会計監査人に有限責任監査法人トーマツを選任し、会計監査を受けています。なお、当社と有限責任監査法人トーマツ及び監査業務に従事する公認会計士との間には、特別な利害関係はございません。
2023年度における会計監査の体制は次のとおりです。

業務を執行した公認会計士の氏名
業務執行社員:轟 一成、小口 誠司
監査業務に係る補助者の構成
公認会計士10名、その他32名

コーポレートガバナンス・コードの対応状況

当社は、コーポレート・ガバナンスに関する報告書に記載の「補充原則4-11-1 取締役会全体としてのバランス、多様性および規模に対する考え方」を除き、コーポレートガバナンス・コードの各原則をすべて実施しています。

取締役会の実効性に関する評価

評価プロセス

取締役会の任意の諮問機関である評価諮問委員会において、質問票に基づく自己評価を2024年3月に実施し、その結果の分析・評価を行いました。また、評価諮問委員会の分析・評価結果に基づき、2024年4月24日の取締役会において、顧問弁護士出席のもと、専門的見地からの意見を伺いながら、取締役会の実効性について評価を行いました。
※ 質問票に基づく自己評価:取締役会の実効性に関する質問票に対し、すべての取締役・監査役が回答

評価項目

①取締役会の構成 ②取締役会の運営 ③取締役会の議題 ④取締役会を支える体制 ⑤取締役会の役割・責務 ⑥その他

評価結果概要

取締役会による意思決定及び業務執行の監督の実効性は、当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方に沿って確保されていると評価しました。

取締役会の構成は、経営に対する監督機能という役割を踏まえ、社外取締役の員数を半数としていることやダイバーシティの視点を取り入れるため、女性取締役を選任するなど、取締役会を実効的に運営するための構成となっております。運営面では、取締役会の議題に関して、年間計画に基づき管理されているとともに、社外取締役への事前説明もスケジュール化し確実に実施するなど、取締役会における効率的な議論に資する改善が認められます。

一方で、事業ポートフォリオなど経営上の重要な課題についての議論や業務執行状況の報告方法、後継者育成計画など、従来からの課題については継続して改善に取り組む必要があることを認識しております。

支配株主との取引等を行う際における少数株主の保護の方策に関する指針

当社は、イオン株式会社(純粋持株会社)及び同社の連結子会社・持分法適用関連会社により構成される企業グループに属しております。

日常の事業運営にあたっては、独自の経営判断に基づき遂行しつつ、事業運営における重要な問題については、イオン株式会社との協議、もしくはイオン株式会社への報告を行っております。イオン株式会社、並びに同グループ企業の成長は当社にとって事業機会の拡大に繋がります。そのため、当社はイオングループ各社との連携及びシナジーの最大化を図ることが少数株主の利益拡大に資するものと認識しております。

当社ガイドライン第9条「株主の利益に反する取引の防止」に基づき、イオン株式会社及び同グループ企業との取引においても、少数株主保護の観点から取引条件の経済合理性を担保すると共に、特に重要な契約については、株式会社東京証券取引所の定めに基づく独立役員に指定している社外取締役及び社外監査役が出席する取締役会の決議を経て締結しています。

また、支配株主と少数株主との利益相反が懸念される事項が発生した際、経営執行者や支配株主から独立した立場で、少数株主等ステークホルダーの意見を取締役会に適切に反映させることを目的に、2022年5月より、取締役会の諮問機関として、委員長、および全委員を独立社外取締役とする特別委員会を設置しています。