内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備状況

当社は、取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制と、会社の業務並びに当社及び子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要な体制について、その基本方針を2023年5月19日開催の取締役会で次のとおり決議いたしました。

内部統制システム基本方針(2024年5月17日改訂)

  1. 取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制(法令定款遵守体制)

    1. 当社は、法令・定款の遵守はもとより、経営理念と行動規範、企業コンプライアンスを定めた「私の約束」を常に意識して、高い倫理観を持って行動する。
    2. 当社は、取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するため、以下の体制整備を行う。
      1. (ア)  取締役会は、取締役会規則・同付議基準に基づく重要事項の決定を行うとともに、経営・業務執行の監督を行う。取締役は相互に牽制機能を発揮しつつ、重要な意思決定及び業務執行が法令・定款に適合することを確認する。
      2. (イ) 取締役会は、コンプライアンス担当役員を選任し、その配下に内部統制・コンプライアンスを統括するグループ人事総務部を置く。コンプライアンス担当役員、グループ人事総務部は、当社及びその連結子会社(以下「当社グループ」という。)のコンプライアンス強化に必要な施策を実施する。
      3. (ウ) 当社のグループ人事総務部は、グループ会社にて役員と兼務しないコンプライアンス委員を指名し、当社のコンプライアンス担当役員の監督のもと、その活動の適正性の評価並びに当該委員の選解任を行う。
      4. (エ) 当社は、就業規則等において、法令、社内規程等の誠実な履行を社員に義務付けるほか、定期的あるいは随時実施するコンプライアンス研修等で当社グループの役職員のコンプライアンス意識を高める。
      5. (オ)当社は、イオンの人権基本方針を現場に広く浸透させ、事業で実践していくために、役員および当社で就業する全ての従業員を対象に、人権に関する研修および啓発を実施する。
      6. (オ)当社は、内部通報制度を設け、企業活動上の不適切な問題を早期に発見・改善し、再発防止を図る。
      7. (キ)内部監査部門であるグループ経営監査部は、コンプライアンス体制の有効性を監査・評価する。
  2. 取締役の職務執行に係る情報の保存及び管理に関する体制(情報保存管理体制)

    1. 当社は、株主総会議事録、取締役会議事録等の法定保存文書並びにその他の重要な情報について、適切に保存・管理するため、以下の体制を整備する。
      1. (ア) 当社は、取締役の業務執行に係る重要な文書または電磁的記録を、法令及び文書管理規程等の社内規程に基づき適切に保存し管理する。
      2. (イ) 当社は、取締役及び監査役からのこれら文書の閲覧要請には即時対応する。。
      3. (ウ) 当社は、情報セキュリティ基本方針を定め、情報セキュリティ管理規程、個人情報安全管理規程等の社内規程を遵守し、情報セキュリティの強化およびサイバー攻撃に対する防御を行い、機密情報や個人情報の漏洩を防止する。
  3. 損失の危険の管理に関する規程その他の体制(損失危機管理体制)

    1. 当社は、事業活動において予測される諸々のリスクに対し、必要な判断と対処を行うため、リスク管理基本方針を定め、イオンディライトグループリスク管理規程基本規程に基づき以下の体制を整備し実施する。
      1. (ア) 平常時のリスク管理については、リスク毎に定めるリスク所管部署が、リスクの管理を行い、リスク事象発生の未然防止や損失の低減を図る。
         〔リスク管理基本方針〕
        ・当社グループの事業活動に重大な影響を与え、損失発生をもたらす 可能性のある様々なリスクを一元的かつ継続的に管理する。
        ・リスクの洗出し、分析を実施し、重大リスクを特定し、リスク対策(回避、低減、移転、保有)を検討した上で、重大リスクの顕在化にともなう当社グループが被る損失を低下させるための対策を整備する。リスクが顕在化した場合、組織として適切かつ速やかな対処により、お客さまをはじめとする関係者の被害を最小限にとどめるとともに、早急な復旧を図る。
        ・当社グループ全体として、PDCA活動を実践し、リスク管理を推進する。
      2. (イ) グループ人事総務部を事務局とするリスク管理委員会が、リスク毎のリスク所管部門が実施するリスクの評価・分析並びに対策案等を総括し、その結果を定期的に取締役会に報告する。また、グループ会社においては、各社のリスク管理責任者が自社の重要リスクの管理状況を把握し、当社のリスク管理統括責任者へ報告する。なお、リスクが現実化し、重大な損害の発生が予測される場合には、取締役は速やかに監査役に報告する。
      3. (ウ) 危機時には、代表取締役社長を本部長とする災害対策本部を設置し、平常時以上に迅速な意思決定と執行を可能にする。また、危機時の事業継続に関する基本規程(BCP基本規程)、BCP基本規程細則、災害復旧対応ハンドブック等の規程・マニュアルを整備し、定期的に規程・マニュアルの手直しを行うとともに、防災訓練を計画的に実施する。
      4. (エ)事業上のリスクのうち、人権侵害リスクについては、「イオンの人権基本方針」のもと、人権デューデリジェンスを実施し、人権に関する負の影響の回避・軽減のための取組みを進める。
      5. (オ)グループ経営監査部は、リスク所管部の監査等を通じて、リスク管理の有効性を評価する。             
    2. 当社は、経営理念に掲げた「環境価値の創造」を具現化するものとして業務品質に徹底的に拘り、将来にわたってお客さまに支持される品質を維持、改善するために、以下の体制を整備する。
      1. (ア) 当社は、統合(品質・環境)マニュアルを制定し、内容を随時見直す。
      2. (イ)当社は、業務管理規程・マニュアル等に基づく業務実施を徹底するため、エリア・サイトマネージャー全員にISO内部監査員資格者教育を施す。また、ISO内部監査員資格保有者による相互監査を実施することにより、その実効性を確認する。
  4. 取締役の職務執行が効率的に行われていることを確保するための体制(効率性確保体制)

    1. 当社は、取締役の効率的な職務執行を確保するため、以下の体制を整備する。
      1. (ア) 当社は、取締役会規則を定め、取締役会の決議事項、協議事項及び報告事項を明確にするとともに、決裁規程・職務責任権限規程等で取締役会決議事項以外の意思決定についても決裁権限を明確にし、また業務遂行に必要な組織の分掌、職務の範囲及び責任を明確にする。
      2. (イ)取締役会は、経営の重要な意思決定と経営・業務執行の監督に十分な審議を尽くす。また、執行役員制度の下で業務執行の効率化を図るとともに、執行役員会、支社経営会議、グループ会社社長会等の会議体を活用し当社グループの効率的な経営を図る。
      3. (ウ) 当社は、複数の独立社外取締役を取締役会に含め、経営陣の提案を多角的に検討し取締役に対する実効性の高い監督を行うとともに、迅速果断な意思決定を支援することで経営の効率性を担保できる体制とする。取締役会は、職務執行の公正さの監督とその適正性の評価をするため、任意の諮問委員会として指名・報酬諮問委員会と評価諮問委員会を設置し、独立社外取締役をその委員とする。
      4. (エ) 当社は、これら当社のコーポレートガバナンスに関する基本的な考え方を、イオンディライト コーポレートガバナンス・ガイドラインとして明文化し開示する。
  5. 当該株式会社並びにその親会社及び子会社からなる企業集団における業務の適正を確保するために必要な体制(企業集団内部統制)

    1. 当社とイオン株式会社及びイオングループ各社、またはイオンディライトの子会社との取引については、利益相反の防止を図り、その適正を確保する。 
    2. 支配株主と少数株主との利益が相反する重要な取引については、独立社外取締役で構成する特別委員会にて審議・検討を行う。 
    3. 当社グループは、基本思想・理念を共有するとともに、グループ内部統制を強化するため、以下の体制を整備する。 
      1. (ア) 当社は、関係会社管理規程及びグループ各社職務責任権限規程において、子会社が親会社に対して報告を要する事項、事前の了承を要する事項等を定め、親会社による子会社のガバナンスの基本的な枠組みを定める。また当社は、原則として、子会社に対して取締役及び監査役を派遣し、子会社の経営の監督を行う。
      2. (イ) 当社は、月次で子会社から業績報告を受領するほか、当社の担当執行役員および担当部長と子会社社長をメンバーとする国内グループ会社社長会、中国グループ会社社長会及びアセアングループ会社社長会を開催し、子会社の経営状態を把握するとともに、グループガバナンスとしての個社別の成長戦略、予算実績管理、内部統制システムを構築する。
      3. (ウ) 当社グループは、共通で統一的な枠組みの下で、コンプライアンス、内部通報制度を運営する。当社は、当社グループの役職員に対して、毎年、コンプライアンスに関する研修を行い、コンプライアンスの意識を醸成する。グループ人事総務部は、グループ各社に任命したコンプライアンス委員と連携し、各社の経営者、従業員に対するコンプライアンス意識向上に資する活動を行う。加えて、当社グループの内部通報制度を周知徹底するとともに、グループ各社の経営陣からは独立した形で運用する。
      4. (エ) 当社グループは、財務報告にかかる内部統制、リスク管理、内部監査に関しては、当社グループ内で基本方針を共有しつつ、子会社の事業内容・規模・事業の複雑性等を考慮の上、個別に報告・運用の体制を決める。
      5. (オ)グループ経営監査部は、子会社を定期的に監査する。グループ経営監査部は、過去の業務監査実績や内部通報実績等を総合的に判断し、リスクが高いと判断する子会社に対して特に入念な業務監査を実施する。
  6. 監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項(監査役スタッフ配置)

    1. 当社は、監査役を補助するため、監査役の求めにより専属の使用人を配置する。
    2. 監査役の職務を補助すべき使用人は、監査役の指揮命令に従い、監査役の業務補助を行う。
  7. 監査役の職務を補助する使用人の取締役からの独立性に関する事項(監査役スタッフ独立性)

    1. 当社は、監査役を補助する使用人の採用・選定・異動等の人事に関する事項については、事前に常勤監査役または監査役会の同意を得ることとし、その人事考課は常勤監査役が行う。
    2. 当社は、当該使用人についての懲戒手続きを開始する場合には、常勤監査役または監査役会の同意を得る。
  8. 取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する事項(監査役への報告体制)

    1. 当社グループの役職員は、当社グループの業務または業績に重大な影響を与える事実、法令違反その他のコンプライアンス上の問題を発見・認識した場合、直ちに当社の監査役または監査役会に対して報告を行う。
    2. グループ経営監査部、グループ人事総務部等は、当社グループにおける内部監査、コンプライアンス、リスク管理等の状況等を、定期的に当社監査役に報告する。
    3. 監査役は、取締役会及びその他経営に関する重要な会議に出席し、自由に意見を述べることができる。
    4. 当社は、当社グループの内部通報制度の所管部署をグループ人事総務部と定める。所管部は、当社グループの役職員からの内部通報の状況について、監査役に定期的または随時報告する。
    5. 当社は、監査役へ報告を行った当社グループの役職員及び内部通報制度の利用者に対し、当該報告を行ったことを理由として不利な取扱いを行いまたは報復的言動を行うことを一切禁止し、その旨を当社グループの役職員に周知徹底する。
  9. その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制(監査役監査実効性確保体制)

    1. 当社は、監査役の監査が実効的に行われることを確保するため、以下の体制を整備する。
      1. (ア)代表取締役社長は、監査役会及び常勤監査役の求めに応じて監査役と定期的な会合を持ち、対処すべき課題や監査上の重要課題について意見を交換する。また、社外取締役も定期的に監査役会に出席して意見交換を行い、意思疎通を図る。
      2. (イ) グループ経営監査部は、監査役に内部監査の実施状況を報告するとともに意見交換を行うなど緊密な連携をとり、実効的な監査業務の遂行に資する。 
      3. (ウ) 当社グループの役職員は、監査役の業務の執行に関する事項について、監査役から報告並びに関係資料の提出を求められたときは、迅速かつ誠実に対応するものとする。 
    2. 当社は、監査役が職務の執行のために合理的な費用の支払いを求めたときはこれに応じる。
      1. (ア) 当社は、監査役がその職務の執行について、会社法第388条に基づく費用の前払い等の請求をしたときは、速やかに当該費用または債務を処理する。
      2. (イ) 当社は、監査役の職務の執行上必要と認める費用について、あらかじめ一定額の予算を設ける。但し、緊急または臨時に支出した費用については、事後、監査役の請求に基づき処理する。
  10. 反社会的勢力排除に向けた体制

    1. 当社は、反社会的勢力との一切の関係を遮断し、不当要求に対しては法的な対応を行うとともに外部専門機関とも連携し組織として対応する。
    2. 当社は、取引先が反社会的勢力であること、若しくは反社会的勢力と取引関係にあることが判明した場合、または取引先に暴力的、脅迫的な反社会的言動があった場合は、直ちに取引・契約を解除する。
    3. 反社会的勢力からの要求についての対応部署をグループ人事総務部と定め、外部機関からの情報収集を積極的に行い、反社会的勢力の排除に努める。
  11. 財務報告に係る内部統制のための体制

    1. 当社は、内部統制報告制度に従って「財務報告に係る内部統制規則」を整備し、教育・指導、運用評価を行い、当社グループの財務報告の正確性・信頼性確保に取り組む。